ユカリア STORIES
Withコロナにおけるパートナー病院の取り組み~新中間病院
※2022年5月9日株式会社キャピタルメディカは「株式会社ユカリア」に社名変更しました。
こんにちは、キャピタルメディカです。
医療やビジネスのゲンバから様々な情報を発信する『キャピタルメディカSTORIES』。
冊子『EUCALIA LIVE』(ユカリアライブ)の原稿を抜粋・再編集し、それぞれのパートナー病院がコロナ禍のなか、どのような病院経営・運営をしてきたのかをお届けする、パートナー病院紹介シリーズ。
今回は福岡県の「医療法人 秋桜会 新中間病院」です。
※情報はすべて2021年10月時点のものです
医療法人 秋桜会 新中間病院
[所在地]福岡県中間市通谷1丁目36−1
[診療科目]内科、外科、整形外科、胃腸科、肛門科、リハビリテーション科、人工透析内科
[病床数]145床(一般30・地域包括ケア65・療養42)
[関連施設]居宅介護支援事業所「介護プランセンター」、通所リハビリテーション
[ホームページ]http://www.shinnakama.or.jp/
北九州市のベッドタウンである中間市は来るべき高齢者社会を見据え、齢をとっても生き生きと暮らせるコミュニティが必要という考え、ウエルパークヒルズと名付けた、間市と北九州市にまたがる2万坪の丘陵地での事業計画に着手しました。
ウエルパークヒルズは社会福祉施設、21階建の介護付き有料老人ホーム、3つの老健施設、脳神経外科、心療内科、歯科クリニックなどが集合した、医療と福祉の総合施設です。当院はこの中核病院として1988年6月に開院しました。
この総合計画が、当時の厚生省が推し進めようとしていた「ふるさと21健康長寿のまちづくり事業」の考え方と合致したこともあり、同じ年にWAC(well-aging community)法が制定され、補助金が支給されるようになりました。
当院の診療科は内科、外科、整形外科、人工透析科で常勤医8名で診療にあたっています。
昨年度の病床稼働率は95.9%、一般病棟の平均在院日数14.1日でした。当院の特長としては癌の診断、治療、緩和ケアまでのシームレスな診療を実施しています。整形外科では年間132例の手術を施行しています。また急性期病院からは後方支援として多くの患者様を紹介していただいています。さらに訪問診察、訪問リハビリも実施しており在宅診療にも重点をおいています。
33年目の嵐
開院という出航以来33年間、永い航海の間には何度か嵐に巻き込まれた年もありましたが、昨年度も「新中間丸」は舵取りに難渋する年になりました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対応と市立病院との統合協議という2つの波が同時に押し寄せてきたのが、その原因です。
昨年始まったCOVID-19の世界的なパンデミックにより、社会がこれほどまでに脅かされ、生活スタイルの変化を余儀なくされるとは思ってもいませんでした。幸い当院に於いて職員及び患者からの陽性者は現時点まで発生していません。
当院での感染対策としては、一般的なものと特段変わった対策を実施しているような事はありませんが、何より気を付けたのは「院内に疑わしきは入れない」の徹底でした。
発生当初から患者の受入れについて感染対策委員会で検討しましたが、院内の方針として水際対策の徹底を図ることに注視しました。今後も職員が安全で不安なく医療及び看護を提供できるような環境を提供していきたいと思っています。
続いて、市立病院との統合協議について。
中間市にはもともと市立病院があり、かつて石炭産業で栄えたころの事業所病院をそのまま市立として移行させたもので、経営的には極めて難渋している様子でした。加えて、人口減少と高齢化が進み、市立病院が市の財政悪化の元凶とさえいわれるようになりました。
市は対応策として、あり方委員会を開き存続案を検討しましたが、妙案ないまま、厚労省から示された公的440病院統廃合の対象になるなど、民間譲渡を当法人に打診してきました。これまで市立病院と一緒になって市の医療提供体制を支えてきたものとしては、市の打診を前向きに受け止めざるをえず、キャピタルメディカの力を借りての委譲後病院の事業計画の策定と交渉を行いました。
当院にとっても懸案である移転新築に向けてついてメリットがあるものと考え、行政の財政支援を含めたバックアップなど踏み込んだ協議を行いました。しかしながら、双方譲れない最後の一点で折り合いがつかず、市長の決断で最終的に今年の2月に廃院が決まりました。
これからの新中間病院を考えた時、白紙という結果が、「元通り」というわけにはいきません。2病院で支えてきた市の医療を当院だけで担わなければならないことになり、民間病院とはいえ、これまで市立病院が担ってきた政策医療も一切知りません、ではすまないのではと思っています。当院が従前以上の責任という重荷を負ったのだけは間違いありません。キャピタルメディカとより強固なパートナーシップを組んで、地域医療に貢献する所存です。
事務部体制について
今年度事務部は、「外部マネジメントに依存せず、主体的な事務運営を行う」「新築移転を見据えた準備作業への参画」を目標に掲げ、社会制度変更への対応、診療報酬上の上位基準取得など、主体的に活動しています。
先行きは不透明ですが、当院の新築移転に向けた構想のなかで、医事課、総務・経理課、診療情報管理係の事務部一同は、準備作業に参画し、経年劣化のため必須である病院建物のリニューアルに対し、積極的なサポートを行っています。
次回は山口県の「医療法人社団 陽光会 光中央病院」です。
ゲンバからは以上です。