ユカリア STORIES
Withコロナにおけるパートナー病院の取り組み~金町中央病院
※2022年5月9日株式会社キャピタルメディカは「株式会社ユカリア」に社名変更しました。
こんにちは、キャピタルメディカです。
医療やビジネスのゲンバから様々な情報を発信する『キャピタルメディカSTORIES』。
冊子『EUCALIA LIVE』(ユカリアライブ)の原稿を抜粋・再編集し、それぞれのパートナー病院がコロナ禍のなか、どのような病院経営・運営をしてきたのかをお届けする、パートナー病院紹介シリーズ。
今回は東京都の「医療法人社団 玲瓏会 金町中央病院」です。
※情報はすべて2021年10月時点のものです
医療法人社団 玲瓏会 金町中央病院
[所在地] 東京都葛飾区金町1-9-1
[診療科目] 内科、外科、整形外科、泌尿器科乳腺外科、婦人科、透析センター、内視鏡センター
[病床数] 99床(一般59・地域包括ケア40)
[関連施設] かなちゅう訪問看護ステーション
[ホームページ] https://www.reiroukai.or.jp/
近年の取り組み
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、日常の生活がすっかり変わってしまった今日、地域における医療機関の役割はこれまで以上に重要になっています。当院においては、患者・スタッフの導線の重なり等の問題がクリア出来ず、感染患者の入院対応が難しい状態ですが、緊急事態宣言下において、早期から発熱外来を開設しPCR検査を開始しておりました。また、患者受け入れを行う病院の病床逼迫が続く中、アフターコロナの患者を積極的に受け入れることで、地域の感染病床のベッドコントロールに協力をしております。ワクチン接種についても常勤医師が毎日持ち回りで問診を担当し、葛飾区の中心的役割を担っております。未曾有の有事に当たり、行政に積極的に協力し、地域医療に貢献することを目指しております。
病院経営に関しましては、内視鏡検査や外科手術の停止を行ったため、業績への悪影響はありましたが、2021年3月に決算を迎え、5期連続経常利益黒字を達成しております。これも偏に、職員が一丸となり、困難な状況に果敢に立ち向かった結果であると考えております。
当院では、従前からチーム医療の推進をテーマに様々な取り組みを進めて参りました。2018年2月には、ベッドコントロールの精度を高めるために入退院支援センターを設置し、多職種による協同のもと、最適な退院タイミングと退院経路を現場にて導き出せるようにしております。病床の目標値が常に示されたことで、職員全員が同じ方向を向いて働くことが出来るようになり、コロナ禍においても安定的な病床稼働が可能となっております。
2019年6月より病棟からシームレスに在宅への橋渡しが出来るよう、「金町中央居宅療養支援事業所」及び「かなちゅう訪問看護ステーション」を開設いたしました。患者が退院後も安心して暮らしていけるよう環境整備に努めております。また、2019年7月からは、治療効果の向上、合併症の予防等を目的に、栄養サポートチーム(NST)を立ち上げ、入院患者さんに対し、適切な栄養療法を提言しております。2020年6月には、認知症支援対策チーム(DST)を立ち上げ、神経内科、精神科の医師と共に、認知症認定看護師が、認知症高齢者にチームで診療にあたっております。
開設60周年を迎えて
当院は1960年に開設して以来、2020年にて開設60周年を迎えました。創立時からの、地域の患者の暮らしの安全を守りたいという想いを引き継いで、「誰もが安心してかかれる病院」を目指して診療を続けて参りました。
急性期だけでなく、回復期・慢性期医療も引き受け、地域医療の中核を成していくことが役割と考え、近年の医学、医療の進歩に遅れることのないよう研鑽を続けております。病床数は99床と大きな規模の病院ではありませんが、周辺の大学病院や、医療機関と良好な関係を保ちながら運営をしております。
第24期となる2021年度には、行政からの要請を請け、地域住民向けのマンモグラフィー検診事業を受託する予定となっております。当院では、医師・画像検査技師・設備の3点が日本乳がん検診精度管理中央機構の精度認定を受けており、区内検診応需体制へ寄与すべく引き受けを致しました。新たに検診用マンモグラフィー検査機器を導入し、既存の視触診検診者を含め、年間約1200~2000件の検査体制を構築すべく準備を進めております。加えて、葛飾区では働く世代が増加傾向であり、多様なライフスタイルに合わせた受診が可能な検診機関となるべく、休日・夜間検診の導入を予定しております。
現在、金町中央病院では、施設の老朽化、狭隘、耐震化などの問題を解決し、災害に強い施設整備を進めることが喫緊の課題となっており、長期事業となる建て替え計画を準備しております。新病院では地域医療の中核病院として機能整備を進め、都や区の医療政策の動向に基づき、診療機能を維持・発展させていきたいと考えております。
創立時から大切にしてきた「地域の皆様に信頼され、愛される病院で在り続ける」という使命に、これからも倦まず弛まず、医療の安全と質の向上に向けて尽力したいと考えております。
今後も地域医療への貢献、そして発展、向上に努めますとともに、地域において住民の皆様の信頼を得て、社会的役割の一端を担っていくことをお誓い申し上げます。
次回は埼玉県の「医療法人 新青会 川口工業総合病院」です。
ゲンバからは以上です。