ユカリア STORIES
Withコロナにおけるパートナー病院の取り組み~新札幌豊和会病院
こんにちは、ユカリアです。
医療やビジネスのゲンバから様々な情報を発信する『ユカリアSTORIES』。
冊子『EUCALIA LIVE』(ユカリアライブ)の原稿を抜粋・再編集し、それぞれのパートナー病院がコロナ禍のなか、どのような病院経営・運営をしてきたのかをお届けする、パートナー病院紹介シリーズ。
今回は北海道の「医療法人 豊和会 新札幌豊和会病院」です。
※情報はすべて2021年10月時点のものです
医療法人 豊和会 新札幌豊和会病院
[所在地] 北海道札幌市厚別区大谷地東2丁目5番12号
[診療科目] 内科、外科、消化器内科、消化器外科、肛門内科、肛門外科、循環器内科、人工透析内科、リハビリテーション科
[病床数] 140床(一般105・地域包括ケア35)
[ホームページ]https://www.houwa.or.jp/
2021年4月を迎え、新札幌豊和会病院は、開院から丸6年が経過しました。
新型コロナウイルス感染症が日本に蔓延し始めた当初より、当院では、院内での感染予防の強化と職員に対する感染防御の徹底を図り、院内外での拡大防止に努めて参りました。
外来においては、「咳・呼吸器症状外来」を設置し、一般外来患者とのエリア分けや、新型コロナウイルス感染症疑いのPCR検査によるスクリーニングなどを行ってきました。また入院においても感染症病棟を設置し、個室管理や検査体制の強化も行ってきました。
さらに、当院は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、札幌市の要請を受け、2020年6月より受入れを行っております。入院が長期化している方や、陰転化後の退院待ち回復期の患者にも対応しております。
2021年度は、当院の基本方針である消化器疾患を中心とした幅広い治療と、高齢者急性期、在宅医療、リハビリテーションを充実させ地域で一番信頼される病院を目指します。
コロナ禍の対応・前後で起きたこと
一番の変化は新型コロナウイルス感染症陽性患者を受け入れる病棟23床を、2020年6月から開始した事です。
外来に関しては、以前は外来患者の入退館に制限がありませんでしたが、2019年から正面玄関で咳・呼吸器症状の質問を行い、検温と手指消毒のご協力を頂くことになりました。入口・出口の導線もそれぞれ一方通行へ変更し、患者にはご不便をおかけしています。また、かかりつけ患者の発熱症状や呼吸器症状に個室隔離対応を行う「咳・呼吸器症状外来」(トリアージ外来)を設けました。
入院に関しては、入院時に新型コロナウイルス感染症のスクリーニングのため、胸部CT検査が必須となった事で従来の導線が変わった事から入院手続きに関わる時間と手間が増加しました。他には2018年まで当院で入院加療出来る患者も感染管理の観点から入院をお断りする場面が増え、心苦しい対応が続いております。
このような対応を行った成果として、職員と入院患者から陽性者が発生することなく過ごせた1年間でした。
外来患者でも陽性者の方が数名受診されましたが、トリアージ外来による個室隔離対応を行っていた事で、院内感染を起こす事無く外来機能を維持出来ております。
コロナ禍の対応を行う前後で、外来・入院に限らず院内のあらゆる業務が感染症対応の為に一変しました。この変化をプラスと捉え、ニューノーマル時代に適した病院運営を模索していきます。
2020年度の変化
開院から2ヶ月に1回発刊を継続してきましたが、通院して頂く事が困難な状況や入院患者の受入制限をしなくてはならない状況時がありました。そこでやむなく、広報課としては残念でしたが、2020~2021年度2回の発刊見送りを実施しました。
近隣の患者に当院を知って頂くツールとして、当院では医療公開講座を実施しておりました。2019~2020年度には20回の開催が出来ました。
新型コロナウイルス感染症の影響により公開講座もやむなく中止させて頂く事となり、5回の開催となりました。また状況を見て再開できるよう準備に努めております。
当院は140床の急性期一般病院として、近隣の医療機関・施設・救急車・訪問診療の患者で60~70%の入院を締めています。昨年度との平均入院患者数の比較は左記となりました。
<平均入院患者数>
2019~2020年度:202名/月
2020~2021年度:144名/月
月平均58名の入院患者が減り、年間で684名となり経営的に厳しい状況となりました。
積極的な陽性者の受け入れに取り組むことで、地域への貢献と経営の安定化も目指しています。

次回は北海道の「医療法人 北仁会 旭山病院」です。
ゲンバからは以上です。