プレスリリース

ユカリア、特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会 インパクト測定・マネジメント(IMM)を通して医療・介護領域の社会的インパクトの可視化を目指す

2023年5月9日
株式会社ユカリア

 株式会社ユカリア(本社:東京都千代田区、代表取締役:古川淳、以下:ユカリア)と、特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会(所在地:東京都港区、代表理事:鵜尾 雅隆、以下:JFRA)は、ユカリアが展開する医療・介護事業を対象に、インパクト投資の評価手法を用いたIMM(Impact Measurement and Management)と呼ばれるインパクト測定・マネジメントを共同で実施します。
 ユカリアがもたらす社会的インパクトを客観的かつ定量的に可視化させ、各ステークホルダーとより強固に連携しながら、社会的インパクトの最大化に向け事業推進することで、ビジョンである「ヘルスケアの産業化」の実現を目指します。
特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会 インパクト測定・マネジメント(IMM)を通して 医療・介護領域の社会的インパクトの可視化を目指す
■背景
 世界規模で多様化・複雑化する社会課題に対して、人々や地球によりよい影響を与える社会性を企業価値として捉える企業が増えています。また、財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出す企業や事業へ投資する「インパクト投資」の市場規模も拡大を続けています。
 そのような流れの中、企業が社会に対する説明責任を果たすために、IMMと呼ばれるインパクト測定・マネジメント手法を用いて、企業が生み出す成果(アウトカム)を「見える化」する動きが活発化しています。JFRAでは、日本のインパクト投資を牽引するGSG国内諮問委員会(The Global Steering Group for Impact Investment)への参画や、インパクト測定・マネジメントに関する研究・事業開発、日本社会をインパクト志向に変革していくための政策提言や啓発活動を行っています。
 ユカリアはミッション「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」のもと、病院経営・運営支援及び高齢者施設運営を中心に、ヘルスケアバリューチェーンにおいて広範囲な事業を展開してビジョンである「ヘルスケアの産業化」の実現を目指しております。
 今回、JFRAの知見を活かしたIMMを通してユカリアの企業価値を可視化する取り組みを共同で実施、公表することで、よりインパクト志向の高い企業として認知していただき、各ステークホルダーとのより強固な連携を推進し、事業の推進速度を上げてまいります。
 
■取り組み
 1.ロジックモデル作成
 ユカリアが、最終的に目指す社会へ効果や影響(アウトカム)の実現向けた道筋を体系的に図示化したロジックモデルの作成
 2.評価モデル検討
 インパクト評価を行うための評価モデル作成に向けて、測定方法やKPI(Key Performance Indicator)の検討
 3.評価モデル検証、評価
 評価モデル検証のためにインパクトデータを収集し分析し、現時点での評価を実施
 
 今後は、上記の内容を外部公開用に「インパクトレポート」等にまとめ、インパクト志向の企業として成長を続けることで、ビジョン・ミッションの達成に繋げてまいります。
 
■ユカリアが考える「5つの社会課題」とセオリーオブチェンジ
 ユカリアでは、ミッション「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」ため、医療・介護領域の社会課題を5つのテーマに分類しています。
 ①医経分離
 医療従事者が病院経営も担うことが、適切な病院経営に繋がるとはいえない状態のため、国内の医療機関の半数以上が赤字経営となっている。それを、医療と経営の役割をわける「医経分離」を導入することにより、発展性・持続性のある医療法人経営を実現する。
 ②病院運営の最適化
 個人最適や属人化等により変革を好まない不活性な組織となっている状態のため、医療従事者の働き甲斐やモチベーションが低くなっている。それを、業務の標準化・オペレーションの最適化により、医療従事者が活き活きと働ける病院環境を構築する。
 ③患者起点のVBHC(Value Based Health Care)の追求
 プロダクトアウト発想の製品・サービス開発が先行している状態のため、最終受益者である患者へ提供する付加価値も低くなっている。それを、患者への付加価値を追及することで、医療の質向上に尽力する病院が正当に評価される産業を実現する。
 ④地域包括モデル
 厚労省が提唱する地域包括ケアシステムが進まない状態のため、地域で支えきれない高齢者が増加している。それを、民間が主導して医療から介護までシームレスな連携モデルを構築し、地域医療構想にも積極的に関与することで、地域で高齢者を支えぬくことのできる環境を提供する。
 ⑤現場に適したDX化
 医療・介護業界全体のITリテラシー不足もあり、他業界と比較してデジタル化が遅れている状態のため、適切な病院経営や運営の最適化も進まない。それを、医療・介護業界の現場が自らデジタル化を促進することで、患者・医療従事者ともに就業体験・受診体験の革新的向上を実現する。
 
 この5つの社会課題を解決するため、各ステークホルダーと連携し、ビジョン「ヘルスケアの産業化」を実現してまいります。

ユカリアのビジョン「ヘルスケアの産業化」のイメージ
ユカリアのビジョン「ヘルスケアの産業化」のイメージ
■ 用語説明
・インパクト投資
 社会的、環境的な問題解決に焦点を当て、財務的なリターンとともに社会的なインパクトを創出することを目的とした投資。社会や環境にポジティブな影響を与える企業の事業発展を促進することを目的とする。(※1)2013年6月のG8にて、当時のイギリス・キャメロン首相の呼びかけにより、インパクト投資をグローバルに推進することを目的として、GSG(The Global Steering Group for Impact Investment)が設立された。日本においては、GSG国内諮問委員会が日本におけるインパクト投資推進のハブ組織として2014年に設立された。
 2022年の全世界におけるインパクト投資の運用資産額は、1兆1,641億ドルに上り(※2)、2021年度の日本におけるインパクト投資の市場規模は推計約1兆3,204億円となっている。(※3)
インパクト投資・IMM
 インパクト測定・マネジメント(Impact Measurement and Management)の略。インパクト投資において、社会的・環境的な問題解決に向けた目標(インパクト)を定め、その目標を達成するための戦略を策定し、運営・評価を行うプロセス。(※4)

 ※1 GSG国内諮問委員会 https://impactinvestment.jp/impact-investing/about.html
 ※2 GIIN (Global Impact Investing Network) 「Sizing the Impact Investing Market」より
 ※3一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)発行/GSG国内諮問委員会 監督 「日本におけるインパクト投資の現状  と課題 2021年度調査」より
 ※4 GSG 国内諮問委員会「インパクト投資におけるインパクト測定・マネジメント実践ガイドブック」より

 
【日本ファンドレイジング協会】
 日本ファンドレイジング協会は、「寄付・社会的投資が進む社会の実現」を目指し、民間非営利組織のファンドレイジングに関わる人々のための認定ファンドレイザー資格制度や、社会的投資の促進に向けた研究・事業開発を行っています。
 所在地   : 東京都港区新橋5-7-12 ひのき屋ビル7F
 ホームページ: https://jfra.jp/