「基本構想」・「基本計画」の不十分さが計画の中断を招く

B病院は老朽化に起因し建替えを計画、設計事務所を起用し設計を進めていましたが、いざ着工というタイミングで建設費の高騰が直撃、計画の中断を余儀なくされました。
当社はまず、既存の設計内容を確認するとともに過去の検討経緯を聴取。結果、本来設計前に実施すべき「基本構想」・「基本計画」の策定が充分に実施できていなかったこと、そのために過大な設計内容となっていることが判明しました。

必要な提供医療機能を再考し設計要件を再整理

「本当に地域にとって必要な提供医療機能は何か」という観点に立ち返り議論を重ねると、B病院が提供すべき医療機能と現在の医療機能にはギャップがあることが浮き彫りになりました。そのギャップを埋めるため、基本構想には病床機能の転換、診療科の新設・廃止、を盛り込みました。基本構想をベースに、各種機能要件(診察室数、手術室数、個室率、等)を必要最低限に抑え、結果、元々の過大な設計から大幅な面積削減を実現しました。
※70㎡/床⇒55㎡/床

実現性の高い事業計画を策定し金融機関との交渉も支援

当社は、事業計画(資金調達計画・返済計画を含む)の策定、更には、金融機関や福祉医療機構との交渉役も担いました。過大投資を回避した基本計画・裏付けのある増収計画を盛り込んだ、実現性の高い事業計画を策定することで、当初計画再開に難色を示していた金融機関の理解を得ることができ、無事に新病院プロジェクトを再度軌道に乗せることに成功しました。