虎の巻その3 「病院」の分類

2020529

はじめに

こんにちは。虎兄(とらにぃ)です。病院経営コラム「病院経営~虎の巻~」。今回は病院の分類についてです。
「明日病院いくので午前中は有休いただきます」このような会話はよく耳にしますが、病院、クリニック、診療所、医院などなど、医療機関には様々な名称があります。
その違いを知っていますか?

【病院】と【診療所】の違い

【病院】や【診療所】などは医療法の規定により定義されています。
医療法は医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等と並び、医療の提供体制を定める法律 として我が国の衛生法規の根幹をなすもので、医業を行うことのできる施設としての病院、診療所等について定める医療施設に関する根本的な法規です。(今後、当コラムでも詳細をご紹介します)

まず大きな違いとして規模の違いがあります。

【病院】
20人以上の患者を入院させるための施設(ベッド)を有する

【診療所】
患者を入院させるための施設(ベッド)を有しないもの又は19人以下の患者を入院させる施設を有する


クリニックや医院は【診療所】の通称として使われています。
各施設で働く医療従事者の数も違いがあります。

【病院】
医師3名以上(外来患者40人に対して1人/入院患者16人に対して1人)


【診療所】
医師1名以上(患者数による増減なし)


上記は医師の数ですが、その他、看護師、薬剤師等の人員に定めがあります。その他、診療報酬の違いによる、負担する料金の差や、どのような診療を行えるのか(診療所より規模が大きい設備が整っている病院は高度な治療が可能)、等の違いがあります。

病院の分類

「病院」と呼ばれる医療機関は6種類に分類されています。一定の機能を有する病院(特定機能病院、地域医療支援病院、臨床研究中核病院)については、人員配置基準、構造設備基準、管理者の責務など、一般の病院とは異なる要件を定め、名称独占が認められています。

一般病院
特定機能病院 (高度の医療の提供等)
地域医療支援病院(地域医療を担うかかりつけ医、かかりつけ歯科医の支援等)
臨床研究中核病院(臨床研究の実施の中核的な役割を担う病院)
精神科病院(精神病床のみを有する病院)
結核病院(結核病床のみを有する病院)

病床(ベッド数)の分類

続いて、病床(ベッド数)の分類について。現在の日本では5つに分類されています。対象とする患者(精神病患者、結核患者)の相違に着目して、一部の病床については、人員配置基準、構造設備基準の面で、取扱いを別にしています。

精神病床
病院の病床のうち、精神疾患を有する者を入院させるためのものをいう。


感染症病床
感染症に関する法律において指定された感染症患者を入院させる


結核病床
病院の病床のうち、結核の患者を入院させるためのものをいう。


療養病床
長期にわたり療養を必要とする患者を入院させる


一般病床
病院又は診療所の病床のうち、前各号に掲げる病床以外のものをいう。

5.まとめ

  • 医療法により、医療機関は【病院】と【診療所】にわけられている
  • 【病院】は6種類に分類されている
  • 【病床】は5種類に分類されている

昨今のCOVID-19(コロナウイルス感染症)感染拡大により、国や自治体が「対応病床をXXX床確保しました」といったニュースを目にすると思います。
今回は医療法施行規則上の臨時応急の措置にて、感染患者を一般病棟に入院させる事を認められていますが、実際は防護服の準備やフロア内のゾーニングなどよりフェーズの高い感染対策を整えなければ受け入れする事はできません。

病院経営~虎の巻~」、次回もお楽しみに!

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