虎の巻その13
病院の収入について(下)
はじめに
こんにちは。虎兄(とらにぃ)です。病院経営コラム「病院経営~虎の巻~」。
前回までで、在院日数と【診療単価】、【患者数】との関係を把握しました。今シリーズの最終回では、いよいよ経営計画への応用についてです。
経営計画への応用 必要患者数と患者確保の具体的想定
在院日数を短縮して【診療単価】を上げることを目標とし、必要な【患者数】と患者確保の具体的想定を行います。ただし、病床稼働率はそのままです。
その場合、在院日数は減らすが、稼働はそのまま、ということだと当然ながら新規にとらなければいけない患者数は増えます。
では必要な増患数をどう確保するのか。
「それぞれのルートから何人必要か?」、「どこのルートを強化するのか?」、「そのために誰が何をすればよいのか?」このような具体的想定を行い、目的と役割を明確にします。(図1)
続いて、(図2)は手術発生確率、検査発生確率の具体化したものです。
発生確率を精査することにより、「患者を何人集めれば検査に繋がるか?」、「検査から手術に繋がるか?」、「入院患者は何人増えるか?」、「診療単価はどのように増えるか?」などが分析できます。新規に診療科などを立ち上げたときに指標化できるので非常に重宝します。
まとめ
今シリーズは戦術の話しのため少々専門的になってしまいました。収入をあげるために【患者数】を増やす、【診療単価】を上げる、とお伝えしましたが、いかに素晴らしい戦略を決定したとしても、戦術が無ければ人は動きません。
そのため、我々コンサルタントは各病院に対し、これまでお伝えしたような定量分析を行い「見える化」し、病院関係者の方と自己認識を共有したうえで、計画値を設定し戦術を立てています。
これらを病院内部で全て網羅するのは大変だと思いますが、その際は我々にご相談ください(笑)
「病院経営~虎の巻~」、次回もお楽しみに!