虎の巻その27 「Withコロナ」に向けて、3つのリスク整理(下)~職員退職のリスク

2021921

はじめに

こんにちは。虎兄(とらにぃ)です。病院経営コラム「病院経営~虎の巻~」。今回は、「Withコロナ」での病院経営のリスクの最後の1つ、「職員退職のリスク」について紹介していきます。

職員退職のリスク

COVID-19の感染拡大が長引き、疲労やストレスを蓄積して退職する職員が相次いでいます。昨夏に当社がクラスター発生対応を行った病院では、年末までに看護師15名が退職した例もありました。現場対応の大変さが要因なのはもちろんのこと、病院勤務者への風評被害の報告も多数有り、それが退職への引き金になっています。近所での嫌がらせや、子供の保育所預かり拒否、美容室の予約キャンセルなどの報告は残念ながら後を絶たちません。

家庭での生活にも支障を来しているのに、追い打ちをかけたのが賞与削減でした。賞与を事実上の生活給と捉えている医療従事者は多く、賞与額減少は年収減少になり、生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。

減額された病院スタッフは自分の勤務している病院の経営状態が気になってしまいます。説明が無い場合は不安に陥り、他院へ転職したり、医療従事者であることを辞める検討をするのは容易に考えられます。
病院経営者は普段経営に関わらない職員にも、簡潔にわかりやすく説明を行うべきでしょう。

職員退職により、病床の規模縮小という選択肢を検討している病院も少なくないと思います。人件費が減少し、医業利益が確保できるようにも見えがちですが、それ以外の固定費負担も大きく緻密なシミュレーションが必要になってきます。

まとめ

今回のシリーズで説明した3つのリスクはそれぞれが密接に連動しています。
この原稿を執筆している時点では、状況が劇的に好転する材料にも感じられません。COVID-19の情報が先行し、インパクトが小さいように思えた2020年診療報酬改定でしたが、次改定では「Withコロナ」としてどのような方針が見いだされるのか、2025年病床再編の行末も注視しなければいけません。
その頃にはコロナ関連融資の返済も始まります。COVID-19が無くなる訳ではないので、医療機関はより高度な感染対策を講じなければいけないでしょう。

当社は、このような状況下のなか、1歩ずつでも地域医療と職員を守るために、経営の舵取り役を担っています。
病院の皆さまのお力になれることがあると思いますので、我々にご相談ください。
病院経営~虎の巻~」、次回もお楽しみに!

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