ユカリア STORIES
Withコロナにおけるパートナー病院の取り組み~札幌道都病院
こんにちは、ユカリアです。
医療やビジネスのゲンバから様々な情報を発信する『ユカリアSTORIES』。
冊子『EUCALIA LIVE』(ユカリアライブ)の原稿を抜粋・再編集し、それぞれのパートナー病院がコロナ禍のなか、どのような病院経営・運営をしてきたのかをお届けする、パートナー病院紹介シリーズ。
最終回は北海道の「医療法人社団 札幌道都病院」です。
※情報はすべて2021年10月時点のものです
医療法人社団 札幌道都病院
[所在地] 北海道札幌市東区北17条東14丁目3番2号
[診療科目] 内科、外科、形成外科、消化器内科、消化器外科、循環器内科、呼吸器内科、リウマチ科、肛門外科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科
[病床数] 188床(一般188)
[ホームページ]http://www.doto.org/
2020~2021の取り組み
新型コロナウイルス感染症が中国武漢で確認されてから1年半が経過しました。驚異的なスピードで全世界に感染が拡大し、5月31日時点では、全世界の感染者数は1億7千万人を突破したと報道されています。北海道でもゴールデンウイークから感染が再拡大し、ピークは過ぎたように思われますが、現在も収束への道筋は見えていません。
当院では、院内感染防止対策として、
①水道直結型加湿器を全館に設置し、院内の湿度を高め(50-60%)に保つ
②病院の全ての玄関に全来院者の体温を測定する目的でサーモグラフィーカメラ(赤外線体温測定器)を設置し、発熱者を職員も含め来院させない
③WHO(世界保健機関)の指針・ガイダンスに従って、マスクおよび個人感染防護具(PPE)の使用する
の3つの対策を徹底的に行ない、院内感染の予防に努めております。
また、院内で迅速にSARS-CoV-2の検査ができる体制を整え、高い専門性と医療レベルを兼ね備えた「地域のための医療」を提供できるよう努めたいと思います。

院内SARS-CoV-2 PCR検査の導入
一般医療機関が使用できるようになってからすぐの2020年6月15日にエスプラインSARS-CoV-2(富士レビオ)による院内迅速抗原検査を、臨床検査委託会社を介さず、病院独自で開始しました。同時に、院内検査に必要な検体採取ボックス、安全キャビネット、クリーンベンチ、遠心分離機、試薬保存用冷凍庫(80℃、20℃)などを購入し、院内でリアルタイムRT-PCR法によるSARS-CoV-2検査開始の準備を始めました。
2020年7月10日にリアルタイムPCR検査装置、新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)検出キット、各種ピペット・チップ・チューブなどが搬入され、翌7月11日から臨床検体を用いたSARS-CoV-2PCR検査を開始しました。
日差再現性・試薬ロッド間差・検体輸送保存液などの検討を繰り返し、また、陽性コントロール希釈系による検量線を用いた精度管理を行うことで、SARS-CoV-2リアルタイムRT-PCR法のオペレーションを確立しました。
ウイルス感染対策室の新設
院内での検査体制は確立され、検体採取室、検体採取患者の待合室、および陽性者を隔離する部屋が必要になりました。2020年7月から感染対策室の新設の準備を始め、2020年10月下旬にPCR検査室を併設したウイルス感染対策室が完成しました。
2020年3月に当院の院内保育所が、幼保無償化の影響で保育士の確保が困難になり、やむなく閉所しました。旧保育所のスペースを改装し、安全キャビネット・クリーン・ベンチ・実験台・各種冷蔵庫を配置した検査室を、まず、完成させ、検査を続行しました。
その後、(株)木村鋳造所(静岡県)に製作していただいた検体採取ボックスを待合室と検査室の間にはめ込み、コーキングしました。待合室、陽性者隔離室、専用トイレも完成し、室内を陰圧に保ち、2020年11月より運用開始しています。
当院検査室で行った5/31までのSARS-CoV-2核酸検出検査で鼻咽頭ぬぐい液が1248件、唾液が235件でした。また、病棟での迅速抗原検査は同期間で1913件に上っています。入院患者さんと病院スタッフの安全と安心を守るために、大いに役立っています。

今回でユカリアパートナー病院紹介シリーズは最終回になります。
コロナ禍は続きますが、少しずつ終息の糸口が見えてきました。
ウィズコロナ、アフターコロナの時代を見据えながら引き続き頑張って参りましょう!
ゲンバからは以上です。